
悟生君がピアノを習いに来たのは小学5〜6年生でした。それまで友達に聞いたりして独学でピアノを弾いていました。
鍵盤を見ながら、手探りで独自の指使いで一生懸命弾いてくれました。始めはとても簡単な練習の楽譜で、ブラインドタッチを身につけました。悟生君は、とても素直で従順な性格なのでスルスルと伸びていき、2年後の発表会では、ソナチネの1番の1楽章と、ホールニューワールドを弾きました。ソナチネは指の独立と、コントロールした動きで粒を揃えるのが課題でした。とても良く練習して予想以上の仕上がりでした。ホールニューワールドは、混声二部合唱のピアノ伴奏譜を遠慮がちに持ってきたものを、私のバイオリンとピアノとの合奏用に編曲して一カ月で素敵に仕上がりました。ピアノ伴奏譜が難しかったので、弾きやすく編曲致しました。
悟生君と一緒に演奏出来て、ご家族やご親戚の皆さんが喜んでくださり本当に嬉しかったです。動画の一部分Googleマップに公開しています。 クラシックだけでなく、将来バンドをやりたい悟生君は、コードネームを見てパッと掴む練習もしています。
将来は、お父さんのギター、お母さん姉さんの歌など素敵な家族で、バンドを組むのが夢です。

北野さんは、昔お嬢さんが弾いていたバイオリンで習い始めました。今の私の年齢からバイオリンを始めて、もう20年以上になります。
私の尊敬するその婦人は、生徒であると共に親友でもあります。人間としては師であるかもしれません。北野さんはピアノを弾いていらしたので楽譜を読む事には不自由はありませんでした。 バイオリンを始めたての頃は、しばらく弓が震えてしまい弦に吸い付きませんでした。様々な技術的課題以前に、体の緊張が問題でした。大人の方は、頭で理解していても体が脱力出来ないというところからスタートする事が多いと思います。忍耐強く、謙虚に取り組む北野さんから私は、多くの事を学びとても感謝しています。
いつ頃からか震えは止まり、私達は色々な2バイオリンの為の作品を弾いてきました。今は、長年あきらめていたビブラートにもう一度取り組んでいます。

北野弘恵さん ~生徒様からのお声~
毎回のレッスンに思う事は、どうしてこのように長く続けられたのかという事です。
長いから上達したかという事ではない大切なものがあるからです。
長い間には、若い方が遭遇しない出来事がたくさんありましたし、所沢を離れなくてはならないこともありました。
それでも絶えることがなかったレッスンには、先生の一人一人にあうレッスン方法
一人一人にかける心からの時があるからです。
2歩進んでも次には3歩戻る時もありますが、後退ではなく新しい導き方に触れるのです。
80歳を前にして、一生触りたい楽器であり、練習も楽しんで続けたいと願っています。

その子は3歳になる前に、「どうしてもバイオリンが弾きたい」と言ってお母様を困らせた子でした。
音楽家家系の方でしたが「親戚にバイオリンだけはいないんです。はじめは優しい先生に手ほどきして欲しいと思って来ました。」とおっしゃいました。長くこの仕事をしていると、天才児に出会うことがあるのです。
一度レッスンしただけで次にきた時はもう、バイオリンと弓を持ち正確なストロークで開放弦を弾いておどろかされました。
まだ夢の中で遊んでいる様なその子は、どんどん成長していきました。
明らかに天才児なので早い段階で音大関係の先生にバトンタッチしました。
レッスン室から出ていく時「さようなら」ではなく「行ってきまーす!」と嬉しそうにいそいそと帰って行ったのが今でも忘れられません。
それからⅯちゃんは、色々なコンクールで賞を頂き、東京フィルハーモニーをバックにバイオリンコンチェルトを弾いてテレビ出演しました。「すごく楽しかった!リハーサルからもう一度やりたい!」と言っていました。現在彼女は東京藝術大学で学んでいます。
Rちゃんが教室に来たのは、小学校低学年の時でした。色白で華奢なお人形さんの様でした。その頃、摂食障害の為何度か入院して、厳しい治療を受けていました。ゆっくりした歩みでしたが、「少人数のお楽しみ会で弾ける様に頑張ろうね!」と励ましながら進めていました。あまりゆっくりだったので、レッスンの流れが、停滞してしまいソルフェージュがままならなかったと感じています。Rちゃんはとても素直で優しく、器用でしたので、お婆さまとケアハウスに行ってシニア世代の方々に折り紙を折って差し上げたりして皆さんに喜ばれ、とても愛されていました。ピアノはコード記号を学び、バイオリンの合奏の伴奏や、Jポップを弾いたり出来る様にもなりました。現在、高校生になり健康に生活しています。ある時電車の中で会うと、背は高く頬はピンク色でなんとも可愛いらしく、健康的なお姉さんになっていて本当に幸せな気持ちになりました。
Sちゃんは、Rちゃんのお姉さんです。
始め、Rちゃんの付き添いでレッスンに来ていました。「連れてきてくれて有難う。」と言うと「連れて行けって言われたから!犬の散歩もさせなきゃならないのに!」と怒っている様でした。あんまり正直で可愛いらしいので思わず笑ってしまいました。Sちゃんはその後、私のプチコンサートを聴きに来てくれて、バイオリンを習う事になりました。照れ屋さんで、妹や自分より小さい子を可愛がって遊ぶ事の出来る優しい子でした。スタートが遅かったSちゃんは譜読みが苦手。今は、受験生で休んでいますが将来姉妹で合奏出来たら良いのにと思わずにいられません。
N君は、RちゃんSちゃんのお兄ちゃんです。2人が高校に進学してレッスンに来れなくなった頃、大学生のN君はやって来ました。N君はなんと独学でショパンを弾いていました。YouTubeの採譜というのを見てどんどん弾ける様になったそうです。でも楽譜はあまり読めません。私から見れば、宇宙人の様なピアニストです。楽譜が読めなくてもショパンの幻想即興曲がとりあえず弾ける…、そんな事がある時代なんだ…。
カルチャーショックでした。N君は
「こんな素晴らしい音楽を書いた人の生きた国、時代、歴史的背景をもっと知りたい。」と言い、西洋音楽史を専攻しようと考えているそうです。ショパンに対する熱情では完全に負けた様な気がするN君です。

